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2007年10月の3件の記事

木造7階建て建物の実台振動実験

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兵庫耐震工学研究センター(E-ディフェンス)において木造7階建て建物の実台振動実験が行われました。
http://www.bosai.go.jp/hyogo/index.html
実験の内容は集成材のパネル工法で7階建ての建物を造り、実際に阪神震災の揺れで揺らすものです。詳細は兵庫県耐震工学研究センターから入手できます。

私は見に行けなかったのですが。同業の仲間が見に行って報告をしてくれました。
報告の詳細そちらをご覧ください

簡単にまとめると、目立った損傷もなく無事実験終えたようです。たぶん、接合部や一部のパネルが損傷していると思いますが、見学者の目から損傷が解らないレベル。倒壊する恐れはないと想像できます。

素材として軽い木材を用いて7階建てを建てるのは構造的に利点が多いです。なんせよ建物が軽いと言うことは揺れに対して影響が少ない。

揺れで受けるエネルギーは建物の重量で変わります。建物が軽ければ受けるエネルギーも比較的小さくなります。実験で建物に大きな損傷がなかったのは軽さが一番効いているでしょう。

建物の構造はパネル工法でした。パネルも集成材の無垢厚板。一枚あたりの耐震性は大きく変形も少ない。
7階建てで今回の実験のような細長い建物には向いています。

これが同じ木造でも軸組のラーメン構造だと変形が大きい。結果、柱・梁の負担も大きく損傷が出たと思います。
木造ラーメンだけでなく鉄骨・鉄筋コンクリートでもこの実験のような細長い建物は苦手です。

木造のパネル工法を用いるのは地震被害が多い日本こそ検討が必要でしょう。

ちょっと残念なのが、この実験はイタリアの国立樹木・木材研究所の持ちかけで実現していると言うこと。国内の集成材メーカーが企画だったらと思います。

アメリカ・欧州では5階以上の木造は当たり前で学校・マンション・ホテルなど多く実績があります。ちょっと前ですとカリフォルニア地震、最近はトルコやパキスタンなど大陸でも規模の大きな地震が報道有りますので、検証をしたかったのだと思います。日本だとせいぜい3階建て、やっと最近4階建てがいくつか建ちだしたばかりなので7階建てという発想がどこにもなかったのでしょう。

とはいえ、木造パネル工法で7階建ての耐震性能は実証されたわけで。多少の追加試験をしたら法的に認めてほしいですね。ネックは耐火性能ですが、こちらも実験を重ねてほしいです。

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確認申請と経済問題と色々(つづき)

建築基準法の改正が経済に影響してる問題の続きです。
根本の原因は法改正後の施行手続きの不備です。

たいてい法改正をする場合内容を施行の一年前に公示して実際に運用するに当たっての摺り合わせを行いその内容を告示・通達などで実務進捗に影響を与えないように行いました。ところが今回の法改正では公示で出された内容は概略のみでどう具体的に変わるか曖昧なままパブリックコメントを行い確か半年程度の摺り合わせで施行に至りました。

結果、実務で把握したかった内容は施行時にてやっと解り実務がスムーズに移行できませんでした。大きく変わった構造計算の審査については審査の通達などが8月になってから出てくる始末で、法改正が6月の20日でしたから一月半から2ヶ月確認業務が止まっていたわけです。8月からぼちぼち動き出しましたがそれまで止めていた申請物件がどっと窓口に来るので現場は混乱でばたばた。

あげくには受付しきれないので断る始末。また、審査が複雑になったのでいくつかの審査機関は審査業務費用に対して業務負担が割に合わないため営業を辞めました。いくつかの行政も面倒な審査の確認は断る事態になっています。ま、審査できる自信がないんでしょうけど(苦笑)。

このどたばたで8月の工事物件が例年の半数以下。9月も引き続き低迷をしています。
ま、年内工事物件は低迷するものと思います。

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確認申請と経済問題と色々

今回の建築基準法の改正は構造偽造が発端なのですが。
それの原因が確認申請の民間開放とか言われました。

で、この民間開放の理由で行政の確認申請は無駄に長く
不動産業界の経済活動を阻害しているという話がありました。
この話は嘘ではないですが本当の理由ではありません。

本当の理由は天下り先を作り出すため。
つまり、民間開放のアイディアを出したのは官僚らしい。
で、そんなことを大手振って言えないから小細工の方便をした。

で、確かに大規模マンションだと確認申請で数ヶ月かかります。
ま、確認申請の前に行政条例の申請があるので、
実質半年から一年くらい手続きかかります。その前に企画が3~6ヶ月。

それだけの手続きで金利負担は結構なものでしょう。
一月でも二月でも短くしたい話はわかりますが、
そんな体力のない企業はやらなきゃ良いんです。
事業に時間が掛かるのは公団がやっていたんだから。
体力のないデベロッパーはやれることだけやればいい。

さて、それじゃぁデベロッパーのやる仕事がないとかって話になるかな。
ところが日本には区分所有法というのがあって、
本来賃貸事業でやるべき集合住宅を分譲できます。

賃貸事業だと事業でペイできる期間が10~20年。
それを分譲でやれば2~3年で済むのですね。
それだけ優遇されていて仕事がないという企業はなくて良いです。

話変わって。この区分所有法。現在欧州でいくつか導入中です。
これは戦後復興期に作った低所得者住宅が事業として成り立たなくなったから。
戦後直ぐの建物なので狭いし使いにくい。空きが多い採算とれない。
財政赤字の原因で負担が多くもてあましています。

これを精算するに当たってそこに住み続けたい人を中心に分譲しています。
大きな団地はいくつかの建物に集めて、空いた建物は解体処分。
既得権を明確にして処理しやすくしたのでしょう。
そういう使い方もあるって事です

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