差鴨居と垂壁の考察
伝統構法の架構要素で「差鴨居(差物)」と「垂壁(小壁)」どちらが強い家づくりに効果があるか良く議論になりますので私の考察として纏めてみます。
まず、「伝統構法を生かす木造耐震設計マニュアル」から「差鴨居」「垂壁」の耐力を確認しますと「差鴨居」は1.5kN、「垂壁」は4.0kN(それぞれ巾一間高さ一間半の単位フレーム)となります。「垂壁」は「差鴨居」の2.6倍の耐力があります。
この差がなぜ出来るか考察を続けます。
図aは「差鴨居」のモデル図です。
図bは垂れ壁のモデル図です。
それぞれの柱との仕口(接合部)に(a)(b)を図示していますが。この部分の面積の違いが耐力に現れると考えています。「マニュアル」の「差鴨居」は9寸もの270mm。「垂壁」は3尺もの900mm。面積比と耐力比とはかなり近い値です。つまり柱にとりつく部材の成で耐力が決まります。そして「差鴨居」の方が面積当たりの耐力は強そうです。しかし、垂れ壁と同じ面積の差し鴨居は合成梁としても現実的ではありません。
そこで、「差鴨居」と「垂壁」を合わせた納まりはどうでしょう。
図cになります。
仕口(接合部)の(a')(b')の和が耐力になります。残念ながらデータがありませんが、「垂壁」だけよりは耐力はあるとおもいます。
纏めますと。「差鴨居」の上を塞いだものは「垂壁」よりは強い。(但しデータがありません。2割ぐらい強いと思います。実証データが有ればご教授ください。)差鴨居の上を欄間などで開けたものは「垂壁」の高さを梁の成で割った分の比で小壁より弱いです。
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コメント
なるほど…詳しい解説をどうもありがとうございます。
私は感触として(なんて非科学的な単語!)足固めと差鴨居は、軸組の耐力に非常に貢献していると感じています。
基本的には差鴨居の上は小壁とするのですが…おっしゃる通り、小壁は侮れませんね(笑)
投稿 bajane1515 | 2007.12.03 10:16 午後